競艇選手の師弟関係|持ちペラ制度の廃止後の流れ

競艇の師弟関係は存在します。2012年まで行われていた持ちペラ制度によって、グループを作るケースも多く、今でもその流れで新人を熱心に指導するベテラン選手が多数います。師弟関係は同じ所属や先輩、同期に比べても特別なもので、レースでお互いをサポートすることがあります。

競艇選手の師弟関係

握手をする師弟

競艇には師弟関係が存在し、多くの選手が師匠か弟子を持っています。競艇の師弟関係は他の競技よりも強い絆があると言われています。
それは2012年まで行われていた持ちペラ制度が関係しています。
持ちペラ制度が廃止になってからは、以前に比べて師弟関係やグループが少なくなりましたが、昔の流れを引き継いで先輩が後輩を面倒見るケースが多いです。

持ちペラ制度で生まれたグループ

1998年から2012年まで導入されていた持ちペラ制度では、個人で購入したプロペラを使い、金属製のハンマーで叩くなどして独自に加工することができました。
良いプロペラを作るには、技術や資金が必要で競艇選手の多くはグループとプロペラを作る小屋(拠点)を作り、グループになってプロペラの共同開発や情報共有をしていました。

新人は養成所で簡単なノウハウを教わりますが、一人前のプロペラ加工をできるようになるには4年かかると言われていて、新人は所属先に先輩に弟子入りをしてプロペラ作りやその他のノウハウを学んでいました。
師匠になる先輩側は新人が入ることで、資金力や細かい作業を分担できる利点を得られる仕組みです。
持ちペラ制度は1人で行うよりも、グループを作ったり先輩から学んだ方が有利なため、強い師弟関係が結ばれていたと言われています。

持ちペラ制度の廃止後

2012年に持ちペラ制度が廃止され、節ごとに抽選でモーター(ペラを含む)を貸し出す制度に変わりました。プロペラの調整は決められた場所に限定され、持ち帰りが禁止。
さらに金属ハンマーを禁止して木製ハンマーしか使えなくなるなど調整できる範囲が制限されました。
制度の改訂によって、プロペラの調整をグループで行うことは少なくなっています。
しかし、新人が独学で調整技術を学ぶのは困難で、先輩に弟子入りしてノウハウを学ぶ流れは引き継いでいます。

先輩からしてみれば弟子を持ってノウハウを教えるメリットは少ないですが、自分が新人時代に先輩にお世話になった恩返しや、後輩に慕われたいという思いで熱心に指導するケースがあります。
グループなど組織でプロペラ調整をする利点を失ったため、弟子を持たずに1人で調整をするベテラン選手も増えています。

師弟関係はレースに影響するの?

競艇は選手同士の絆が強い競技です。 体育会系で一昔前は後輩はパシリのように使って先輩の移動手段の手配や雑務をこなしていました。
今は極端な上下関係はなくなっていますが、養成所(やまと学校)では男性は強制坊主、女性はショートカットで、携帯・スマホの持ち込み禁止など時代に逆行する厳しい指導を行っています。

競艇選手は全国に1,600人いて、多いと1節に10回以上のレースをこなすなど出走回数が多いです。
必然的に、同じ所属、同郷、同期、師匠を応援するものですし、重賞や交流開催では同じ所属の選手を応援しないといけないのは暗黙のルールとされています。
その中では日頃から過ごす時間の長い師匠は特別な存在で、他の先輩よりも優先順位を高くするものです。

勝てるレースの勝利を先輩に譲ることはないですが、必要に応じて師弟がそれぞれのサポート役に回ることがあります。
たとえば、内枠が師匠、外枠が弟子になった場合は、弟子が師匠を抑えて勝利する可能性は低く、ブロックラインなど接近戦を誘導することで2位、3位をキープできないリスクが高いと判断できます。
競艇では、こうした師弟関係も予想材料にする必要があります。