伝説の名勝負といえば
競艇で歴史に残る名勝負と評されるのは以下の条件を満たしたレースです。
- 重賞の優勝戦など大一番のレース
- ゴール直前まで接戦を繰り広げる
- ライバル関係をはじめ選手のヒューマンドラマがある
競艇は逃げて先行するのが圧倒的に有利で、SGの優勝戦でもスタート直後の1マークをターンして先頭になった選手がそのまま独走するケースが頻繁になります。
レースの前半である程度の順位が決まりやすい競艇は、選手が最後まで接近戦を繰り広げるレースになると観客が盛り上がり、名勝負だと評価されるようになります。
特にSGやG1などビッグレースの優勝戦で接戦を繰り広げると伝説の名勝負として、長く語り継がれることになります。
これまでにあった伝説の名勝負をまとめました。
SG第55回全日本選手権の優勝戦「丸岡正典」
1コースの丸岡選手が1週目の1ターンマークで失敗し、4号艇の瓜生正義選手が差しを決めて先頭に立ちます。
そこから熾烈なデットヒートを繰り広げ伝説の名勝負として語り継がれるようになりました。
丸岡選手が1週目の第2ターンマークで差し返すと、そこからゴール直前まで超接近戦を繰り広げます。
最後はわずかな差で丸岡選手が優勝し、観客が大歓声をあげました。
丸岡選手は、まくりやまくり差しが得意で独走態勢を作れなくても接戦に持ち込んで最後に勝つ名勝負を多数繰り広げてきました。
歴代の競艇選手でも、もっとも多くの名勝負を生み出してきたのは丸岡選手でしょう。
その中でもSG優勝戦で繰り広げたことで、多くの競艇ファンの目に焼き付いて、丸岡選手を代表する名勝負の一つとして現在も語り継がれています。
第3回ヤングダービー5日目11R準優勝戦
競艇の名勝負は大半が2艇によるデッドヒートですが、ここで紹介するヤングダービーでは三つ巴のレースを繰り広げます。
30歳以下の選手で行われるヤングダービーは、有望株が多く準優勝戦に注目選手が固まったことで話題になっていました。
レースは1号艇松田大志郎、3号艇小坂尚哉、6号艇丸野一樹が三つ巴をする展開です。
実際には松田選手と丸野選手の熾烈な争いですが、2艇がやり合う中で小坂選手が一時割り込む展開になりました。
激しくトップが入れ替わるレースは最終的に松田選手が僅かな差で制し、優勝戦は1号艇の恩恵を活かして圧勝する形で幕を閉じました。
第10回賞金王決定戦「植木通彦VS中道善博」
当時人気絶頂だった植木通彦選手と中道善博選手のライバル対決が見られることで、例年以上の盛り上がりを見せていました。
優勝戦は1号艇が中道選手、植木選手は準優勝戦で2位になったことで5号艇からのスタートでした。
スタート直後の1マークターンでは中道選手が抑えてトップになりますが、5号艇の植木選手が抜群のスタートで僅差の2着に付けます。
当時はモンキーターンを操る選手が限られていた中で、モンキーターン使いの両者がターンマークごとにトップが入れ替わるクロスラインの応酬で観客が沸きます。
最後まで接近戦を繰り返し、最後はわずか数十cmの差で植木選手が優勝を手に入れます。