業界のプロモーション活動
競艇の全盛期は2兆円市場でしたが、一時期は売上が低迷して2010年には8,434億円まで落ち込みました。
しかし、積極的なプロモーション活動が功を奏して2012年以降は2017年まで6年連続で売上を増加し、2017年は1兆2,378億円まで回復しました。
競艇は客層が悪くて、常連以外は立ち寄りにくいイメージが付いていましたが、昨今の躍進はプロモーション活動によるイメージ改善が大きく関係しています。
競艇場に足を運んでもらうイベント
競艇場は従来の薄汚くて暗いイメージを一刷するために、改築や分煙化を進めて明るい雰囲気の場所に生まれ変わっていました。
しかし、昔の悪いイメージが強くて競艇場の雰囲気改善だけでは客足が伸びませんでした。
そこで様々なイベントを開催して、若者、カップル、女性の取り込みを行っています。
- お笑い芸人、アイドルなどのミニライブ
- ペアボートによる競艇選手とのタンデム試乗会
- 子供向けイベント(戦隊ショー、体験イベントなど)
- VRによる競艇体験会
- 物産展
- コスプレーヤーのイベント
ほかにも、選手との触れ合いイベントや抽選会など、昔からの客を楽しませるイベントも豊富です。
最近では、楽しいと思える休日を過ごすとSNSによる拡散効果があります。
入場料100円で舟券を買わなくても楽しめる競艇場は、イベント目的で足を運んだ人からの評判が良くて、穴場スポットとして話題なっています。
積極的なテレビCM
競艇は1993年からタレントを起用したCMを展開しています。
競艇の売上がプラスに転じ始めた2010年より南明奈が起用されて、テレビCMの放送回数を増やして市場に大きな影響を与えました。
現在は渡辺直美をメインにロバートらを使って積極的なCM広告を継続しています。
競艇はもともとローカルな競技なので地上波でのCMとの相性が悪かったですが、ネット投票の普及でビッグレースを中心にネット投票だけで競艇を始める人が増えています。
テレビCMの方針転換と広告予算を増やしたことは、もっとも大きな効果を与えたプロモーション活動です。
さらに、車の展示イベントで競艇のPRブースを出したり、お笑い芸人ライブに競艇大好き芸人によるイベントを開催するなど、競艇場を飛び出した場所でのイベントも積極的です。
積極的なテレビCMの効果で、競艇と無縁の場所のイベントでも興味を持つ方が増える相乗効果を与えています。
地元を大切にする競艇場
目立つ成果をあげるプロモーション活動は、競艇に興味のない若者や女性をターゲットにしたものが多いですが、競艇は地元のお客さんを大事にしています。
競艇場ごとで、学生を無料招待したり、お笑い芸人を招いての予想会を開催するなど、地元との交流を図るイベントを積極的に行っています。
競艇が全国24場も展開できたのは、ボートレース場周辺の方から愛されていたためです。
ネット投票の普及した現在でも、地元との交流を大切にしていて、時には選手と合同によるゴミ拾い会を開催するなど社会貢献活動も積極的に行っています。