モーターや枠の重要性
競艇は強いレーサーだけでなく、モーターや枠順も期待値に大きく関わってきます。
一例として、2017年に賞金王に輝いた桐生順平選手の場合、集計した2018年9月20日現在のデータでは、1コースに入った時の3着内率は100%です。
絶対に3連単から外すことのできない一方で、6コースになると3連対率30.8%になります。
競艇は内枠ほど有利になることが有名で、トップ選手でも大外の6枠になると10回中7回は舟券に絡まない4着以下になってしまいます。
枠順の優劣が大きいため、競艇は1節ごとに予選で複数のレースをこなして、決勝では成績上位のものから内枠を与えられる仕組みになっています。
枠順だけではなく、モーター(ペラ)も重要です。
競艇では1年に1回ペラを一斉に入れ替えて、節ごとに前検日の抽選で選手にモーターとボートを振り分けています。
モーターは全て同じメーカーの同じ型式です。しかし製造工程において、数ミリから数ミクロの単位で若干の誤差が出てきて、当たりとハズレが分かれます。
選手はモーターを調整することができますが、根本的な当たりハズレのあるため、調整でカバーできる範囲に限界があります。競艇ではモーターごとに2連帯率や勝率のデータを公開して、良いモーターを引けるかも予想で重要な指標になります。
モーターの与える影響
参考データとして、2018年のオーシャンカップ(SG)で振り分けられたモーターのデータを見ると、1番優秀なモーターは2連対率57.7%、成績の悪いモーターになると26.4%しかありません。
モーターが悪くても一切勝てないワケではないですが、当たりモーターに比べるとパフォーマンスは下がります。選手は前検日(開催日の前日)にモーターとボートが振り分けられると、すぐに整備をして前検タイムを測定します。
前検タイムは初日の予想材料になり、整備の上手な選手はモーターを調整して不利なモーターでも差を少なくでき。後半戦になるにつれて整備が整っていくこともあります。
それでも、調整でできる範囲は限定されていて、現在使われているモーターは調整によって性能の変わる範囲が少なくなっています。モーターの性能が悪くても、内枠から逃げて良いコース取りをできれば1着でゴールできます。
モーターが悪いと直線の伸びが悪くなるので外枠やスタートミスなど後ろからの展開になると巻き返すのが困難で、逃げても直線で追いつかれるので独走状態に持っていくのが困難です。
ボートの優劣はあるのか?
競艇はモーターと同様にボートも抽選によって振り分けられて、勝率、2連対率などのデータが公開されています。
ボートは同じメーカーのものを使っているので性能差はありません。一部では塗装の剥がれなど損傷によって抵抗が大きくなっていることもありますが、目に見える差はありません。
ボートごとのデータには若干の差がありますが、選手やモーターとの組み合わせなど運によって変わる要素が大きいので、そこまで重要ではありません。
とはいえ、選手からはボートにも当たり・ハズレがあるという声も聞かれます。
抽選をするくらいなので一切関係ないとは言えませんが、ボート単体の情報は予想材料にするほどではないです。
モーターと組み合わせた時の展示タイムや前検タイムなど、レースで使うマシンを総合的に評価するようにしましょう。
なお、競艇で使うボートは木製で使う分だけ水を吸って重くなります。トラブルなどで開催期間中にボート交換して後半から新しいボートに切り替えると、水を吸っていない分だけ軽くなって有利になります。
1レース使っただけで大きな差はでないので、前検日で割り当てられたボートという同じ条件であれば、使用回数など細かいデータまで見る必要はありません。
枠ごとの勝率
競艇の公式ページでは、開催場ごとに直近3ヶ月のコース別の成績を確認できます。 また、選手ごとの成績データも確認できます。
不利な6コースになると勝率1~3%、3着内率は20%前後。トップ選手でも6コースになると勝率は数%程度になってしまいます。
内枠になるほど有利ですが、データを見ると2~4枠までは勝率に大きな差はありません。5枠、6枠になると不利な要素が高まります。
枠順=コース順ではない
競艇は枠ごとにピットアウトして、そこから先着順でコースが決まります。
ルール的には6枠から最内の1枠に入ることも可能です。
それなら、ピットアウトした瞬間に勢いよく飛び出して内側を取ればいいと思うかもしれないですが、競艇で使うボートはブレーキがなくてエンジンがかかっていると少しずつ前へ進んでしまいます。
外枠から内枠を取るために勢いよく飛び出すと、助走距離を取れなくなってしまうため、枠順から順番にスタートコースの決まる枠なりスタートがもっとも多いです。
選手によって内枠を取ることを得意な人もいますし、相手の強さによって外枠から内側のコースを取る難易度が変わります。ベテラン選手が外枠で新人やランクの低い選手が内側だと、枠なりくずれが起こりやすくなります。
競艇で予想するときは枠順だけではなく、枠なり崩れの起こる可能性や、コース争いで助走距離が短くなりすぎるリスクも考慮しないといけません。
ちなみに1枠が1コースを取れる確率は約97%です。
枠順の決まり方
決勝以外は番組マンと呼ばれる運営スタッフの裁量によって決定されます。
重賞の予選であれば、総合的に均等になるように選手ごとで内枠、外枠を振り分けます。
B級の中に1人だけA1級が入る時は、予想を難しくするためにあえてA1級選手を5枠や6枠に入れることもありますし、新人のデビュー戦はコース争いが不慣れな理由で5枠、6枠に入れることが多いです。
(例、女性が1人入るレースで女性が6コースを引くとつまらない、関東対関西の選手のマッチアップで関東が内枠を独占すると関東同士の争いになるなど)